患者の皆様へ To all patient

麻酔とは

麻酔とは何でしょうか?

単に手術室で痛みを取り除くだけでなく、現在は麻酔の条件を
(1)無痛
(2)健忘(意識の消失)
(3)筋弛緩
(4)有害反射の消失
としています。これらの麻酔条件を満たすために手術中は数種類の薬物を組み合わせて麻酔を行っており、全身麻酔と局所麻酔に大別されます。

全身麻酔

通常の全身麻酔は静脈麻酔薬の投与で入眠していただき、筋弛緩薬で筋肉の動きを抑えて、呼吸の確保のために気管内にチューブを入れます。手術中、このチューブを通じて人工的に患者様の呼吸を維持し、吸入麻酔薬もしくは静脈麻酔薬にて麻酔を維持します。吸入麻酔は呼吸により肺から動脈血中に入り、脳・脊髄に作用し、無痛・健忘作用を発揮します。静脈麻酔薬は点滴を通し全身に分布し、中枢神経系の細胞に作用して効果を発揮します。
手術の終了に際し、吸入麻酔薬の吸入または静脈麻酔薬の投与を中止することで数分から十数分内に患者様が覚醒し、十分に呼吸できることを確認した上で気管内チューブを抜去します。

全身麻酔

局所麻酔

局所麻酔法は痛みの感知・伝達する末梢神経の機能を遮断する薬(局所麻酔薬)を用いて、痛み情報を脳への伝達を遮断する麻酔法です。局所麻酔法は局所麻酔薬を作用させる部位により、以下のように分類されます。

①表面・局所浸潤麻酔
手術する部位に局所麻酔薬を注射し、神経の末梢で痛み刺激の伝達を遮断します。歯科の治療、皮膚の腫物の切開・切除に使われます。いわゆる狭義の局所麻酔はこれに相当します。

②伝達麻酔
太い神経幹に局所麻酔薬を作用させます。いわゆるブロック麻酔に相当します。
麻酔をする部位により腕神経叢ブロック、大腿神経ブロック、坐骨神経ブロックなどがあります。

局所麻酔

適応 麻酔をするときの姿勢
腕神経叢ブロック 上肢手術全般と肩関節の手術に使用します。 患者ざまには仰向けまたは横向きに寝て頂き、手術をする逆方向に顔を向けて頂きます。
大腿神経ブロック 主に大腿から膝関節の手術に使用します。 仰向けで寝て頂き、麻酔をする方の足は伸ばしていただきます。
坐骨神経ブロック 主に膝から下の手術に用いられます。 患部の状態により姿勢は仰向け・横向き・うつ伏せ等を選択させていただきます。

③硬膜外麻酔
脊髄の外側にある硬膜外腔へ局所麻酔薬を注入します。この部分には脊髄から末梢に伸びる脊髄神経が通過するため、これらの神経伝達が局所麻酔薬により遮断され、痛覚や運動能力が遮断されます。また硬膜外腔に細いカテーテルを挿入することにより持続的に局所麻酔薬を注入し、手術後の鎮痛を得ることができます。

④脊髄クモ膜下麻酔
手術部位が下腹部より下で、短時間手術の場合に使われます。脊髄のくも膜下腔に局所麻酔薬を作用させ、下半身の痛みの伝達を遮断します。

これらの個々の麻酔法については手術の部位・方法によって麻酔科専門医が適切な麻酔法を選択し、手術中は当科の麻酔担当医が常にそばについてそれぞれの患者さんに最適な麻酔管理を行います。

局所麻酔