2023年8月8日

OPCABG準備マニュアル

2023年8月8日

開心術(CPB使用)準備マニュアル

2023年7月1日

硬膜外・脊髄くも膜下麻酔関連 硬膜外血腫

2023年6月29日

術中アナフィラキシーへの対応

2023年6月12日

局所麻酔薬中毒

2023年6月12日

硬膜穿刺後頭痛

2023年6月12日

高位・全脊髄くも膜下麻酔

2023年1月12日

周術期 薬剤計算表

2022年11月30日

凝固異常がある患者

2022年11月29日

喘息・COPD合併患者

2022年11月28日

周術期の血糖管理

2022年11月27日

人工呼吸からのウィーニング

2022年11月26日

肝障害患者の麻酔管理

2022年11月25日

SSPTとは

Simple Swallowing Provocation Test ( SSPT; 簡易嚥下誘発試験 ) について

■はじめに
近年高齢者人口の増加に伴い、高齢者の肺炎死亡が増加してきており、その原因として、不顕性誤嚥の関与が明らかにされており、 嚥下障害の適切な評価が課題になっている。
誤嚥の正確な評価は嚥下造影がゴールドスタンダードであるが、全員に行うのは無駄が多い。
嚥下障害のスクリーニングのために、ベッドサイドでできる簡便な検査法がいくつか提唱されている。ベッドサイドでの嚥下・声の観察 ( 感度 21%、特異度 93% ) 、
オキシメータを使った嚥下評価 ( 感度 47%、特異度 86% ) ( 感度 87%、特異度 39% )、咽頭反射の検出 ( 感度 80%、特異度 68% )、咳反射、反復唾液嚥下テスト ( 感度 98%、特異度 66% )、嚥下誘発試験、水飲みテスト ( 感度 70%、特異度 88% )、食物テスト ( 感度 72%、特異度 62% )、嚥下前・後エックス線撮影 ( 感度 50%、特異度 76% )、内視鏡検査などである。
スクリーニング検査なので、感度・特異度ともに優れていることが求められる。スクリーニング方法は確立していない。

■SSPT とは
東京大学老年病学教室の寺本信嗣先生が提唱
( Teramoto S et al: Simple two-step swallowing provocation test for elderly patients with aspiration pneumonia. The Lancet 1999; 353: 1243. )

患者を仰臥位にする
5Fr のカテーテルを経鼻で上咽頭へ挿入する (約 13cm)
呼気終末に合わせて蒸留水 (室温) を 1-2 秒で一気に注入する
First Step: 0.4mL Second Step: 2mL
蒸留水注入から嚥下が出現するまでの時間を測定し、3 秒以内であれば正常とする
( 健常者で 1.7 +/- 0.7 秒 )

First Step への感度は 100%、特異度は 83.8%
Second Step への感度は 76.4%、特異度は 100%

First Step に対し正常な反応を示す群はaspiration のLow Risk 群
Second Step に対し異常な反応を示す群はaspiration のHigh Risk 群

Water Swallowing Test との比較
First Step: 10mL Second Step: 30mL
座位で 10 秒以内で飲めたものを正常とするFirst Step への感度は 71.4%、特異度は 70.8% Second Step への感度は 72%、特異度は 70.3%
( Teramoto S et al: Detection of Aspiration and Swallowing Disorder in Older Stroke Patients: Simple Swallowing Provocation Test Versus Water Swallowing Test. Arch Phys Med Rehabil 2000; 81:1517-1519. )

■まとめ
SSPT はaspiration の疑わしい患者への嚥下障害のスクリーニング検査として有用で、High Risk 群であれば、嚥下造影をする必要がある。
また、認知症、コミュニケーション能力の低下した患者にも有用である。
( 馬場幸他: 痴呆高齢者に対する嚥下障害のスクリーニング方法の検討: 簡易嚥下誘発試験と反復唾液嚥下テストの比較. 日本老年医学雑誌 2005; 42: 323-327. )

2022年11月24日

日帰り手術の周術期管理

2022年11月23日

NPPVの適応・禁忌・離脱

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